ドライマウス
ドライマウス(口腔乾燥症)とは?
口臭や虫歯や歯周病のリスクが高まります
現在日本人の多くが悩まされているドライマウス(口腔乾燥症)。文字通り、何らかの要因でお口の中が乾燥する状態です。症状が軽い場合は、唾液の分泌量が少なくなるので「口の中がネバネバする」「虫歯や歯周病のリスクが高まる」といった状態にとどまります。しかし、重度のドライマウスは「口臭をはっきり感じるようになる」「口腔内が乾燥し、痛みが生じる」「食事を呑み込めない」などの症状が出てくるため、早急に対応が必要です。
当院ではドライマウスの根本的な治療は行っておりませんが、改善のために漢方の処方を行っています。
こんな症状ありませんか?
- 口の中がネバつく感じがして話しにくい
- 口内炎が頻繁にできる
- 喉がよく乾く
- 口の中が傷つきやすい
- 水分の少ないものが飲み込みにくく感じる
- 口の中や舌がヒリヒリ、ピリピリする
- 笑った後唇がくっついて戻りにくい
- 口臭を指摘される
ドライマウスを放置してしまうと様々なリスクがあります
唾液にはお口や体の健康を保つためにさまざまなメリットがあります。たとえば、細菌を洗い流してお口の中を清潔な状態にキープしたり、粘膜を保護してくれたり、食事後に酸性から中性に戻して歯質の流出を防いだり、抗菌作用があったりします。つまり、ドライマウスによって唾液が少なくなると、数多くのトラブルを引き起こしてしまうのです。
- 虫歯や歯周病のリスクが高まる
- 唾液が少なくなると、お口の中が洗浄されず、汚れが溜まりやすくなります。結果的に細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。
- 口臭がひどくなる
- 唾液には抗菌作用があります。そのためドライマウスになると口腔内の細菌数が増えて、口臭も強くなります。
- 口の中に痛みを起こしやすくなる
- 唾液には粘膜を保護する作用があります。口腔内が乾いている状態が続くと、わずかな擦れなどでも粘膜が傷つき、痛みが生じてしまうのです。
- ものが飲み込みづらくなり、消化も悪くなる
- 食事を咀嚼する際に唾液は重要な役割を果たしています。唾液が少なくなってきてはじめて、食事の不便さを実感するという方も多くいらっしゃいます。
食物の消化作用も不十分なことから胃腸にも負担がかかります。 - 風邪などの感染症にかかりやすくなる
- 口腔内が乾燥すると、ウイルスや細菌に対して免疫力が働きにくくなります。結果風邪をはじめとした感染症リスクが高まります。
- 誤嚥性肺炎を起こしやすくなる
- ドライマウスによって、食事をスムーズに飲み込めなくなると、食べ物が気道に入ってしまうことがあります。その際、お口の中の細菌も一緒に運ばれることで、誤嚥性肺炎を起こすことがあるのです。特に高齢者の場合に顕著です。
- 味覚障害を起こしやすくなる
- 唾液が減ることで、味の情報を運ぶ働きが弱くなります。味覚を正常に感じられなくなり、食事の際の楽しみが減少してしまうのです。
改善のための漢方処方
ドライマウスに効く漢方について
漢方薬は、漢方医学で用いる薬剤全体を概念的に広く表現する時に用いる言葉で、漢方医学の考え方に沿うように、基本的に生薬を組み合わせて構成された漢方処方に基づく漢方処方製剤(漢方方剤)として存在します。漢方処方は、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものです。漢方薬は使用する人の体質や症状、その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられます。
漢方の種類
- 立効散(りっこうさん)
- 立効散は、細辛の局所麻酔作用による局所痛制御を主な効能としていますが、それ以外にも升麻の鎮痛・消炎作用、防風の風寒湿の邪にも対応するなど、抗炎症作用も有するなど、生薬の配合された方剤です。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 半夏瀉心湯は、口内炎や神経症に効果があります。
また胃腸の働きを良くして、食欲不振や胃もたれ、吐き気や嘔吐、お腹のゴロゴロ、下痢などを治す効果もあります。